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夏前から始まった絵コンテの検討作業も10月には終了。この間、監督以下、絵コンテ責任者や演出、総作画監督、美術監督といった主要メンバーは何回も会議を重ね、シナリオに基づいて描かれた絵コンテを、ひとつひとつ吟味するという作業を繰り返してきた。結果、最終的に1050カットの絵コンテが決定。この1050カットが、「ふるさと-JAPAN」をつくりあげるおおもとになる。
この作業と並行して、決まった部分から、実際に絵を描いていく”作画”がスタートしていたのである。アニメ制作では、これを”作画イン”と呼んでいる。
最終的な絵の枚数は、おそらく50000枚くらいになるはず。「ふるさと-JAPAN」の原画マンは約30人。一枚一枚その手で絵を描いて、1050カットの絵コンテを動画にする長い作業の日々が、夜も昼もなく続いていく。
絵コンテをもとに実際の絵を描くには、細かい部分まできめておかなければばらばい。そのための手順もあって-----

| ★まずは”作打ち”
各カットごとに演出の飯島さんが、原画マンに細かい指示をだす。「この場面では登場人物が2人いるけれど、2人の身長の差を確認して描いてください。もちろん、背景とのバランスも重要」とか、「この場面はセリフが長いので、登場人物の演技をひとつ増やしてカットを2つにしましょう」などと、打ちあわせの内容は細かい。
原画マンからの質問も多い。 「路面電車の停留所を描くのですが、昭和30年ごろの停留所の参考になる写真が必要。あります?」若い原画マンは、参考資料を見ながらの作業となるので、制作スタッフが集めてくる、時代考証を裏付ける資料はとても大切。また、場面場面で登場人物が着ている服も違ってくるので、キャラクター表(注)を見ながら、どの洋服を着ているべきかを確認しながら描いている。
★続いて”作監・総作監打ち”
ここでは、原画マンが描いた絵のどこに注意してみていくかをを、演出の飯島さんと作画監督、総作画監督の釘宮さんが、1カットごとに決めていく。例えば、教室の机。これを原画マンが描くか、美術さんが背景画として描くか〜。どちらが描くかでできあがりは違ってくる。
昭和30年代の机は木製だけど、背景画として描いたほうが、微妙な木目が表現できる。場面の中で机がアップになるとよく分かる。が、場面によっては原画マンが描いた方が全体のバランスがとれることもあるので、その点もひとつひとつ検討していく。
また、雨や水面の処理にCG(コンピューターグラフィックス)を使うかどうかも、大切な判断。
CGを使うと、予算やスケジュールが違ってくるのでこの段階で決めてしまう。
こういったことを1050カットに渡って決めていくという、ちょっと気の遠くなる作業が夜通し続けられる。
| ひとつの絵のなかには背景もあるし、登場人物もでてくる。 それぞれの登場人物の設定表(これがキャラクター表と呼ばれるもの)や、時代考証など、細かい参考資料を見ながらの原画マンの作業は、本当に積み重ねの日々。
半年はこの作業がつづくことになる。 |
(注)キャラクター表・・・・・・登場人物の身長や服装、正面の顔・横顔・笑った時の顔や悲しい顔の表情、など細かく決められたもの。
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