制作ノートインデックスメイキング09
★声優オーディション
子供たちに声をかける音響監督の塩屋翼氏(中央)

2005年8月『ふるさと-JAPAN』の声優オーディションが3回にわたって行われた。
主人公のアキラ、ゴン、志津をはじめ、子役10人と大人役11人、総勢21人の声優さんを決めていく。 登場人物が多いのでアニメ映画としては他に例をみない人数だが、キャラクターの声は作品の出来を大きく左右するだけに、大切なものだ。

★子役オーディション1回目

1回目は8月18日。

子役のオーディションは、グループごとに一人一人配役をきめて、6チームに分けて行った。 映画の中では何人かでセリフを交わす場面が多いので、登場人物が似た声にならないようにと、この方法をとることに・・・・。

子どもたちが続々とオーディション会場の、新宿のマウスプロモーションにやってくる。 ちょうど夏休みだけど、子どもたちの拘束時間は18:30まで。
6チームを次々にテストして、各人の声を録音していく。 今回、音響監督を務める塩屋さんの指導で、まだ出来上がっていない線画の画面を見ながら、マイクの前でテストに入る。 はじめは少し緊張していた子どもたちも、塩屋さんの雰囲気つくりでほっとして、笑顔もでてきた。 塩屋さんご自身、子役の声優をされていたので、子どもたちを和ませたり指導するのがとても上手。
また、皆それぞれ劇団やプロダクションに所属し、日頃から活躍していて、芸歴も多い。 今回のセリフも十分に練習してきているので、いざマイクの前に立つと堂々とその役をこなしていく。

声優さんはその名のとおり、声が勝負。
監督が求める一人一人のキャラクターのイメージに合うかどうかが判断のポイントになる。 さらに『ふるさと-JAPAN』は昭和31年の話なので、その時代のかもし出す雰囲気までも声に求められる。

最初に割り当てられた役以外に別のセリフをよんでもらうことも。
『ふるさと-JAPAN』はアニメではあるが、実写映画に近いアニメをめざしている。背景の絵も実際の風景に近い絵を描いているので、芝居もあまりおおげさではなく、自然に演じてもらいたい。 隣にいる人に話しかけるような会話を求めている。 が、これがなかなか難しい。オーディション会場で聞いただけでは、分からない部分もある。 1回目では決まりそうにない状況で、やや難航。

CDに録音したテストの声を監督はその後2日間、何度も聞きなおしてイメージにぴったりの声優さんを探していった。

★子役オーディション2回目

子役オーディション2回目は8月30日。

2回目は1回目の結果をもとに新しいメンバーも加わり、19人が参加。 一人ずつ声をきかせてもらって、配役を決めていく作業に入った。 13:30から始まった2次オーディションは、18:30に終了。
子役10人のキャストが全員無事に決まった。

★大人役のオーディション
西澤監督とプロデューサーの村上氏

大人役のオーディションは、8月22日に実施された。
子役オーディションとは違い、最初から一人ずつオーディションルームに入ってもらい、指定された役のセリフを読んでもらった。
皆さん劇団に所属する俳優さんだったり、ベテランの声優さんなので、オーディションもスムーズに進んでいく。
セリフもなめらか、こちらも聞き入ってしまうほどの声で、選ぶのがむずかしい。

後は、『ふるさと-JAPAN』の人物設定にあっているかどうかだけの問題で、監督以下スタッフは、判断をしていった。
声を聞いて、途中「この人にはこちらの役が合っているんじゃないかな?」と、急遽別のキャラクターのセリフを読んでもらう場面も。多い人には3人の男性役を演じてもらった。
主な登場人物、11名の大人役の声優さんが、ほぼ決まったが、主人公の父と母役は、もう少し声の細いタイプの人を探したいということで、再考ということになった。

<文・写真 西澤真佐栄>